C型肝炎の母児感染[1](UpToDateからのまとめ)
C型肝炎の母児感染についてオンライン医学教科書のUpToDate14.1から要点をまとめてみました。
主として米国での状況であることを念頭におきながら御覧ください。今回は要約だけです。
日本の資料は後日掲載いたします。
HCVの母児感染率は全体として2-5%で認められる。
感染リスクにかかわる因子が次のように研究されています。
- 妊婦さんがHIVにも感染していると垂直感染率は4倍以上になる。 (約19%対4%)
- 妊婦さんのHCVウイルス量が1x105コピー/mL以上の場合、 感染しやすくなる。
- 妊婦さんのHCVウイルス遺伝子型が垂直感染率に関係あるか否かは確定していない。
- 母乳はHIV感染者以外ではまず安全で感染に関係しない。
- 分娩経路(経腟分娩か帝王切開か) の感染への影響については結論が出ていない。
HCV感染した新生児は多くの場合、無症状です。現在、HCVの母児感染率を下げる効果的な方法はありません。 HCV感染している妊婦さんから誕生したお子さんは生後2ヶ月から6ヶ月までの間に2回、HCVRNA(定性)検査を、また、 15ヶ月後にHCV抗体を受け、感染の有無を確認する必要があります。(NIHの勧告)