厚生労働省治療標準化研究班(B型及びC型肝炎ウイルスの感染者に対する治療標準化に関する臨床研究班)から
「2007年度版C型慢性肝炎の治療ガイドライン」が公表されました。
まとめの表と補足を記させていただきます。ご参考になさってください。
1.初回治療
初回治療 | ジェノタイプ1 | ジェノタイプ2 |
---|---|---|
高ウイルス量 1Meq/mL以上 100KIU/mL以上 300fmol/L以 |
ペグイントロン+レベトール ペガシス+コペガス |
ペグイントロン+レベトール 併用療法(24週間) |
低ウイルス量 1Meq/mL 未満 100KI/mL未満 300fmol/L未満 |
IFN単独療法(24週間) ペガシス単独療法 |
IFN単独療法(8-24週間) ペガシス単独療法 |
ジェノタイプ1、高ウイルス以外の代償性肝硬変にはIFN-β:フェロンの注射を原則とする
2007年度のジェノタイプ1、高ウイルス量患者さんに対するペグインターフェロン+リバビリン併用療法のガイドライン(補足)
- 12週以内にHCVRNA陰性化例:48週併用療法でSVRを期待
- 13週から24週までにRNA陰性化例:72週の併用療法長期継続でSVRを目指す。
- 高齢、合併症併存、ヘモグロビン、白血球低値例など通常量での治療では副作用で中止が予測される患者さん:減量開始、あるいは、早期に減量(48-72週)完遂を目指す。
- 24週目でRNA陽性かつALT(GPT)正常化例:48週の治療継続により長期ALT(GPT)正常化を目指す。
2.再治療
インターフェロン再治療の原則:C型慢性肝炎に対しての再治療は初回治療の無効の要因を検討し、治療目的の治療か、進展予防(発癌予防)の少量長期療法を選択すべきである。
2007年度版C型慢性肝炎の治療ガイドラインの補足
- 初回治療の高ウイルス量症例、再治療例の治癒目的の治療は、インターフェロンとリバビリンの併用療法が治療の基本である。
- 高ウイルス量の患者さん、再治療患者さんでリバビリンの非適応例ではインターフェロンの長期投与が必要である。
- インターフェロン治療中にHCVRNAの陰性化が得られない患者さんでは、肝機能正常化または発癌予防を目指した治療も考慮する。