B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアの方は、肝臓に負担をかけないよう、規則正しい生活を心がけて、ストレスや過労・徹夜などを避けるようにしましょう。
また、栄養のバランスを考えた食事を規則正しくとるようにしましょう。
以下に、日常生活をおくる際での、いくつかの注意点を書かせていただきます。しかし、これらの注意点も、病状によって注意事項も変化していきます。これまでも書いてきたように、疑問に思う点があったら自分で判断せず、医師に相談していただくことが大切です。
- 食事: 普通食を基本とした、3食バランスの良い食事をとりましょう。 毎回の食事では、主食(ご飯やパン)、主菜(魚・肉・卵・大豆製品)1品 、副菜(野菜)2品をとるよう心がけてください。
- お酒: 肝炎ウイルスキャリアの場合には少量の飲酒でも肝機能が悪化するため、禁酒が必要です。少量なら大丈夫との考えもあるようですが、御自分に厳しく、禁酒されたほうがよろしいでしょう
- お風呂: ぬるめのお湯に入り、長湯は避けましょう。熱いお風呂に長い時間入ったり、サウナに入ったりすると、かなりの体力を消耗するので避けましょう。体調の良くないときは、無理をせずにシャワーを浴びる程度にしておきましょう。また、食後1時間はお風呂に入るのは避けましょう。(肝臓への血液循環が悪くなる可能性があります。)
- お薬: お薬には肝臓に負担をかけてしまうものもあるため、薬局に売っている薬でも自己判断で飲まないようにしましょう。肝炎の初期症状・肝機能の悪化を風邪と間違える可能性もありますので、自己判断で薬を飲むと肝臓に負担をかけてしまい、その結果かえって症状を悪くする危険性があります。必ず病院に行き、医師の診察を受けるようにしましょう。
- 健康食品・サプリメント: 健康食品やサプリメントの中には、肝臓病に良いとされているものでも、服用の方法によってはかえって健康を損なう場合もあるので注意が必要です。他の薬との併用により肝障害が引き起こされる可能性もあります。健康食品やサプリメントを服用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談しましょう。
- 仕事: 激しい肉体労働を除けば、一般的な仕事は問題がないでしょう。適度に筋肉をつけておくことは、肝臓病の方にかえって、良いこともあります。実は、筋肉は第2の肝臓とも言われています。しかし、慢性肝炎は自覚症状があまりないため、無理をしてしまい症状を悪化させてしまう危険性があります。無理をせず、規則正しい生活を心がけましょう。
- 旅行: 不慣れな土地での長い旅行は、体に負担をかけてしまうおそれがあります。無理のない旅行日程をたて、気持ちにゆとりを持って楽しむようにしましょう。旅行の前後は医師に相談をし、自分の肝臓の状態を把握しましょう。また、急な容態変化に備えて、旅行先の病院を調べておくと安心です。お薬と保険証を忘れずに持っていきましょう。
- 定期検査: B型肝炎はどのような経過をとるのか判断が難しいため、キャリアの方は、たとえ症状が落ち着いている場合でも、定期的(2~3ヵ月ごと)に肝臓の血液検査を受け、また、6か月に一度は超音波検査などの画像検査も受け、肝臓に異常が生じていないか確認するようにしてください。
定期検査を受けましょう