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あなたの肝臓をもっと健康に!

あなたの肝臓をもっと健康に!

肝庇護療法とは、肝臓が破壊されるのを防ぎ、肝機能を改善させることを目的とした治療法です。

 原因であるB型肝炎ウイルス(HBV)を直接攻撃するわけではないので、長期間続ける必要があります。
 代表的なものに、グリチルリチン製剤、ウルソデオキシコール酸、小柴胡湯(しょうさいことう)があります。

グリチルリチン製剤

1.作用

 主成分はグリチルリチンで、マメ科の薬用植物である甘草(かんぞう)から抽出されます。
代表的なものとして、静脈注射用の強力ネオミノファーゲンシーがあり、その治療目的は肝炎の進行を抑えて、今以上に肝細胞が破壊されないようにすることです。毎日注射をすると、効果がある場合は、2週間程度でALT(GPT)やAST(GOT)の値が低下します。
 ウイルスを直接攻撃するわけではないので、ウイルス量を減らす作用は強くありませんが、免疫力の増強や肝機能改善、体内でのインターフェロン合成を促進する作用があります。インターフェロン療法が効かなかった人、副作用が原因でインターフェロンが使用できない人、肝硬変の人、高齢者などが使用します。

2.副作用・注意事項

副作用としては、血液中のカリウムの低下、血圧の上昇、むくみ、発疹などがあります。

 副作用によっては治療を中止しなければならない場合もあるため、体に異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。

ウルソデオキシコール酸

1.作用

 ウルソデオキシコール酸は経口薬で、漢方薬の熊胆(くまのい)の成分を化学的に合成した胆汁酸製剤です。熊胆は古くから胃腸薬として漢方医療で使用されています。 胆汁の分泌を促進し、脂肪の消化・吸収を助けることにより、胃腸機能を改善します。また、肝臓の血流を増加させることで、肝細胞を保護する作用があり、AST(GOT)、ALT(GPT)値を低下させます。しかし、ウルソデオキシコール酸には抗ウイルス作用はありません。

また、C型肝炎の方に対しては、B型肝炎の方以上の効果があることが明らかとなっています。

2.副作用・注意事項

副作用は、頻度不明ながらも間質性肺炎が報告されています。その他、下痢、悪心、嘔吐、発疹などがあり、副作用によっては治療を中止しなければならない場合もあるため、体に異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。

小柴胡湯(しょうさいことう)

1.作用

小柴胡湯は、柴胡(さいこ)、黄ごん(おうごん)、半夏(はんげ)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、人参(にんじん)、生姜(しょうきょう)の7つの生薬を処方した漢方薬です。  柴胡、人参に含まれているサポニンという成分にはステロイド様の作用があり、細胞膜の保護や抗炎症作用、抗アレルギー作用などがあるため、慢性肝炎に使用されています。
 その治療目的は、肝炎を抑えて肝機能を改善し、AST(GOT)、ALT(GPT)値を低下させることによって、病気の進行を遅らせることです。

2.副作用・注意事項

インターフェロン療法との併用、肝硬変の人、肝臓癌の人は、間質性肺炎が起きる危険性があるため使用は禁止されています。
 その他、食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、発疹などがあり、副作用によっては治療を中止しなければならない場合もあるため、体に異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。