2008年B型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足-1)
- 抗ウイルス療法は、ALT(GPT)値がALT(GPT)≧30IU/Lの場合に考慮する。
しかし、高齢者やHBe抗原陰性例、抗ウイルス剤の治療が難しい例では肝庇護療法(SNMC(強力ネオミノファーゲンC注)、UDCA(ウルソサン内服)等)で経過をみることも可能である。 - 若年(35歳未満)症例では、インターフェロン(IFN)長期注射治療(3ヶ月以上)あるいはEntecavir(バラクルード)内服が原則。
尚、ステロイド、IFN、核酸アナログの短期併用治療を考慮すること。 br> ただし組織像の軽い症例では自然経過でのHBe抗原のseroconversionを期待し経過観察することもある。
(IFN在宅自己注射可能な症例はQOL(生活の質)を考慮して在宅自己注射を推奨する。) - 中高年(35歳以上)症例では、核酸アナログ未使用症例は、Entecavir(バラクルード)が第一選択薬になる。
- 母子感染例はIFN抵抗性のことが多く、Entecavir(バラクルード)単独あるいはEntecavir(バラクルード)+IFN連続療法も適応になる。
- Lamivudine(ゼフィックス)耐性ウイルスによる肝炎に対しては、Adefovir(ヘプセラ)が第一選択になる。
組織学的進行例ではHBV DNA量が上昇した時点でAdefovir(ヘプセラ)を開始する。 - 肝硬変例および肝細胞癌治癒後の症例も、核酸アナログの治療を行う。