自己免疫性肝炎の治療
自己免疫性肝炎の治療では、副腎皮質ステロイドという薬が、まず、一番に使われます。
自己免疫性肝炎は免疫の調節機能の異常によっておこりますが、副腎皮質ステロイドは免疫を抑えることによって、劇的に、肝炎を鎮めます。患者さんはこの時、大変、安心されます。
治療開始のころは、少し、多めにステロイドを飲んでいただきますが、肝炎がおさまる様子を確認しながら、少しずつ、量を減らしていきます。この際、ウルソという薬を一緒に飲んでいただくことも多いです。
注意しなくてはいけないのは、肝炎が良くなったからといって、急にステロイドを飲むのを止めてしまうことです。そうすると、あっという間に再度肝炎がひどくなり、場合によっては、もとよりも、悪くなってしまうこともあります。
ステロイドはいろいろな病気の治療に使われますが、各種の情報源からその副作用が強調されているため、患者さんが、心配し、いやになってしまい、止めてしまうことがあるのです。
肝炎を落ち着けるためには、ごく少量を、長年続けていただくほうが、安全・安心です。