セログループではなく遺伝子型検査が大事です
C型慢性肝炎の治療にあたっては現在のところ、ウイルスがどの型かが治療薬の選択に大切になっています。
健康保険上はセログループという、いわば簡易検査でセログループ1とセルグループ2の二つに診断し、治療方針を立てていきます。判定保留、判定不能という結果もあります。
本当は遺伝子型を調べる方が良いのですが、健康保険外で検査代が自己負担になってしまうので、診療所などでは全員の患者さんには受けていただいておりません。大きな病院では研究費などで患者さんに負担をかけることなく、調べているところが多いようです。
現在の治療薬の段階では、私からは自己負担はかかっても遺伝子型測定を受けられることをお勧めいたします
一般的には
セログループ1は遺伝子型1(1a か1b)
セログループ2 遺伝子型2 (2a か2b)
に対応することになっています。
しかし、これまでに
- セログループ1と診断されたけれど、遺伝子型2a であった患者さん
- 以前セログープ1と診断されたけれど、念のため、再検したら、判定不能であったため、遺伝子型検査を受けていただいたら、遺伝子型1a であった患者さん
- 更には遺伝子型3であった患者さんがおりました。
- 最初の患者さんはダクルインザ・スンベプラしか許可になっていなかった時期だったので、薬剤耐性変異検査を受けていただいたら、解析不能という結果でした。 おかしいので遺伝子型検査を受けていただいたら、2aでした。 ダクルインザ・スンベプラは遺伝子型2aには効かないので、待ってソバルディ・コペガスを服用していただきウイルスが駆除できました。
- 二人目の患者さんは産科での血液製剤使用後の感染患者さんでしたので、1b1とは限らないとは心配していたので、1aとわかり良かったです。 というのは、ダクルインザ・スンベプラは1bには効くけれど、1aには効かないからです。
- 3番目の患者さんについては日本在住の方で遺伝子型3というのも稀だとは思いますが、現在のインターフェロンフリー治療薬の中で日本で認可されているものは遺伝子型3には効果的なものはないので、治療待機状態です。
現在、ギリアド社がどの遺伝子型のC型肝炎にも効果のある薬の臨床試験を進めています。
そのような薬が使える時代になれば、このような心配は不要ですね。
早くそんな時代になってほしいですね。
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