患者さんへのメッセージ
肝臓専門医として、専門医への受診をおすすめします。
あきらめないでください。
また、放置すると危険な場合があります。
当クリニックには様々な方がいらっしゃいますが、そのなかで、特に残念に思うのは
必要な治療を受けていない患者さん
諦めている患者さんが
少なからずいらっしゃることです。
医師の間でも肝臓病の状態の把握については、得意な医師とそうでない医師がおられるのです。
一つの臓器について極めようとすると、様々な知識が必要になります。最新の研究の成果を日々学び、患者さんの治療に活かすには高い専門性が必要になるのは当然のことであり、医師であっても、得手不得手が生じるのはしかたのないことです。
また、他の臓器よりも、一般的に丈夫な臓器であることがかえって災いし、 非専門医の先生のなかには、肝臓病が症状もなく、進行、悪化、発癌へ進んでいくことへの警戒心が少ない方がいらっしゃることも考えられます。
また、難病指定の病気(適切に申請すれば、医療費の補助が受けられます)については専門医であっても苦労するところですが、非専門医の先生の一部に、原因不明の肝臓病として診断されないまま、何年も経過されている患者さんもおられます。
適切な治療が受けられず、 肝臓病が悪化してしまうことがあります。
適切な治療が受けられず、悪化してしまっていた患者さんの例の一部です。 あなたは大丈夫でしょうか?
心配がある場合は、是非お近くの肝臓専門医の診察を受けてください。
症状のないB型慢性肝炎が知らないうちに悪化、肝臓がんに進行していた例
ある男性が高血圧・糖尿病とB型慢性肝炎で、全国的にもすばらしい病院のランキング、常に上位に名を連ねる某総合病院の総合内科に8年ほど通院されていました。患者さんも主治医もB型肝炎であることは承知しておりましたが、症状もないので、先生も高血圧・糖尿病の治療に専念されておりました。
つい最近、ほんの少し、肝機能検査に異常値が出始め、5年ぶりに腹部超音波検査を受けていただいたところ、直径10cm程の肝臓癌が診断されました。この5年間は、定期的なB型肝炎の検査はおこなわれていませんでした。残念です。
非専門医の先生ががんを見落とし、C型肝炎のインターフェロン治療をしていた例
C型慢性肝炎と診断された男性患者さんが、非専門医の先生のもと、インターフェロン治療を勧められ、受け始められました。患者さんは、治療は受け始めたものの、説明もよくわからず、納得できないので、私のところでの治療継続を希望され、ある日の午後、診療終了間際に来院されました。状況を伺ったあと、御説明し、今後は当クリニックで治療を続けさせていただこうという相談になりました。
ところで、最後に受けられた、腹部超音波検査はいつですか?と尋ねたところ、御答えがありませんでした。
治療継続の前に一度は腹部超音波検査を受けておきましょうと、何か気になったので、その日のうちに受けていただいたところ、私は目を疑いましたが、肝臓内に大きな癌が多数ありました。
その日の内に、入院施設、肝臓癌治療の専門家の先生が勤務されている病院へ紹介状を書かせていただきました。
非専門医に、数年通院しても回復しないかゆみの原因が 難病指定の原発性胆汁性肝硬変症だった例
ある女性患者さんが、体が少しかゆく、じんましんかと思って、何年も前から、お住まいの近くの先生に診ていただいておりました。先生からは、じんましんの御薬が処方され、検査では少し、肝機能が悪いけど、大丈夫ですよ、と言われていたそうです。
しかし、ゆっくりとですが、かゆみが増し、白目が黄ばんできたように患者さんは感じました。主治医の先生は、薬の副作用かなと、話されていたそうです。
知人から、当クリニックを紹介され、受診してくださいました。
問診、診察の段階である、肝臓病が頭に浮かびました。検査で確認させていただいたところ、「原発性胆汁性肝硬変症」でした。
すぐに、適切な治療を開始したところ、かゆみ、白目の黄ばみ(黄疸)といった症状は、改善し、劇的に肝機能も改善しました。私の経験では、もう少し、遅ければ、黄疸は戻らなかったと思います。
また、難病申請していただき、受理され、現在、医療費はこの病気に関しては無料です。
専門医でも苦労することもありますので、検査結果で、肝臓に異常があることがわかりましたら専門医への診察を強くおすすめ致します。
特に、下記に該当する方は 一度、肝臓専門医の診察をお受けください
病名もはっきりわからず、(あるいは病名は聞いたが)治療や経過観察で通院しているが、説明がややこしくて不安......
本当に、経過観察で良いのか、診察検査をし、確認しましょう。
わかりやすく、ご説明致します。
B・C型肝炎と診断されておられたけれど、症状もないし、そのままにしている。
放っておくと、肝硬変・肝臓癌になる可能性があります。
また、突然、食道や胃から出血してしまう場合があります。
突然「B・C型肝炎にかかっていますよ」と言われた。
その際、お母様からの感染でしょうと医師に言われたが、お母様は検査で「B・C型肝炎ではない」という結果が出て、頭が混乱している......
検査法にはいろいろあります。また、その結果の判断の仕方は簡単なようで複雑です。先生によっては、事実と異なる説明をなさり、患者さんは不要な、あるいは過剰な心配をさせてしまうことがあります。十分な注意をしないと、肝硬変や肝臓癌になってしまいやすいのに、そのままになってしまうこともあります。まず、検査結果を見直し、場合によっては、適切な再検査を受けていただき、その結果に基づき、生活していきましょう。
B型肝炎で、抗ウイルス薬(バラクルード(エンテカビルなど))の内服を勧められているが、効果・副作用・医療費などが不安......
B型肝炎の患者さん、すべてに抗ウイルス薬が必要であるとは、言えません。どのような患者さんに必要かは、「ガイドライン」という「基本」があります。必要に応じて、検討していきましょう。もちろん、副作用や医療費についてもよく、相談しましょう。
C型肝炎を治したいけれど、インターフェロン治療が、自分に効くのか、副作用(特に「うつ病」)や医療費、入院が必要なのかなど心配で途方に暮れている。
当クリニックでは入院なし、肝生検(肝臓に針を刺す検査)なしで、外来で始めています。
また、治療が、今必要なのか、効きそうなのか、副作用は本当はどの程度かなど、御説明させていただきます。
大事なのは、放っておかないことです!
専門医として再度申し上げたいのは、検査結果を放っておかずに、一度、専門医の診察を受けていただきたい、ということです。あなたの、命に関わる問題なのです。
当クリニックでは、経験豊富な肝臓専門医が患者さんのお話を聞かせていただいた上で、診察、検査をさせていただいております。
現在のお体の様子を把握させていただいた上で、御相談いたしましょう。
心のこもった応対・診療をお約束いたします。
医療法人 社団 肝健会
肝臓専門(肝臓内科) はやさかクリニック
院長 早坂 章